先月に引き続き「改正改善基準告示を守れていますか?」を一緒に考えてまいりましょう。
と、その前に日本郵便の許可取り消しについて。
運送業を専門にしている小職にとって、この報道は衝撃的でした。
あの日本郵便が点呼をしていない!なんてことがあるんですね。
報道がどこまで正確か?はともかく、超大手さんなんだから点呼ぐらいはきちんとしましょうよ!
と思いますよね。
昨年10月1日より点呼に関する行政処分が厳しくなったのはご存知だとはと思います。
具体的には、
「点呼を実施していない件数が20件以上で初違反1件あたり1日車」
開始の点呼をしなければ緑ナンバーは稼げないはず。
終了の点呼をしなければドライバーさんは家に帰れないはず。
もし点呼をしていない運行管理者さんや補助者さんがこれを読んでくれていたら、
今すぐ点呼をしてください。
「ウチみたいに小さい会社は見つからないよ~」なんて考えないで。
運行開始点呼時に、
前夜のお酒が残っていないか?
よく眠れたか?
体調は良いか?
心は元気か?
車は元気か?
確認して、ドライバーさんとコミュニケーションを取ってください。
そうでなくても出動したら長時間独りぼっちなんですから。
どんな高価な車両より、どんなに最先端の安全装備より、これが一番安全運行につながると思うのは私だけでしょうか?
では本題に戻り「分割休息」について。
分割休息とは、
業務の必要上、勤務終了後、継続9時間以上(宿泊を伴う長距離貨物運送の場合は継続8時間以上)の休息期間を与えることが困難な場合、次に掲げる要件を満たすものに限り、当分の間、一定期間 (1か月程度を限度とする。)における全勤務回数の2分の1を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができる。
・ 分割された休息期間は、1回当たり継続3時間以上とし、2分割又は3分割とします。
・ 1日において、2分割の場合は合計10時間以上、3分割の場合は合計12時間以上の休息期間を与えな ければなりません。
・ 休息期間を3分割する日が連続しないよう努める必要があります。
具体的に確認してまいりましょう
まずは、
業務の必要上、勤務終了後、継続9時間以上(宿泊を伴う長距離貨物運送の場合は継続8時間以上)の休息期間を与えることが困難な場合とありますが、御社ではどんな場合が考えられますか?
たとえば、
毎日AM6:00に開始点呼のルート配送ドライバーさん
拘束時間12時間の予定で一日がスタートしていましたが、いろいろと想定外のことが起きて終わってみたらPM11:00。
もうくたくたですが、次の日も同じAM6:00の予定です。
なにも対策しなければ、拘束時間は17時間におよび休息期間も7時間しか取れません。
一日で2つの違反を犯してしまいます。
ではどうすればよかったのでしょうか?
拘束時間12時間予定が17時間に伸びてしまったのは何か理由がありますね。
例えば卸し予定の倉庫が繁忙期を迎えて超混雑していました。
担当者からは3時間後でないとバースにつけられません・・・。と
こんな時は運行管理者へすぐに連絡です。
「トラックをとめて休息に入りますので終了の点呼をお願いします!」
当然に営業所から距離がありますので電話で終了点呼です。
点呼簿に電話点呼した時間や点呼内容を記録してこのドライバーさんは一旦業務から離脱します。
無事3時間以上の休息を経て、倉庫内も空いてまいりました。
運行管理者さんはドライバーさんへ電話をし、本日2回目の開始点呼。
ドライバーさんは新しいタコを入れて日報も新しく用意。
トラックのまわりをぐるっと確認しましょう。
日常点検は不要です。
運行管理者さんは点呼時刻や点呼内容を点呼簿へ記録。
このように業務の途中に休息を取ります。
注意が必要なのは休憩ではなく休息。
そして連続した最低3時間以上の休息期間
一日の点呼簿に同じドライバーさんが2回登場します。
タコは抜かなくてもかまいません。
でも1回目の点呼とは別のお仕事と考え抜いておく方が後々チェックしやすいです。
日報もしかり。
このように対策できればこの日の拘束時間は17時間-3時間=14時間でセーフ
さらに休息期間も7時間+3時間=10時間でまたまたセーフ
いかがですか?
「あそこの倉庫は待機が長い!」と文句ばかり言っていてもなにも変わりません。
自社でできる対策はフルに活用しましょう!
この特例が使えるのは一カ月の勤務で半分までです。
なぜでしょう?
ドライバーさん疲れるからです。
10時間の休息と言えば十分に聞こえますが、実際は昼寝3時間+家で7時間です。
毎日続いたらしんどいですよね。
月末の一週間だけは分割休息。
イレギュラーのあった日だけ分割休息。
あの会社の仕事の日だけ分割休息。
理想はイレギュラー対応ですね。
現実はなかなか・・・。
3分割も可能です。
具体的には
開始点呼6:00~お仕事~終了点呼10:00
10:00~1回目の分割休息~13:00
2回目開始点呼13:00~お仕事~2回目終了点呼17:00
17:00~2回目の分割休息~20:00
3回目開始点呼20:00~お仕事~3回目終了点呼24:00
翌日は6:00~スタート
拘束時間は4時間×3回=12時間
休息期間は3時間×2回+6時間=12時間
いずれも問題ありません。
注意が必要なのは、2回目の開始点呼が電話で2回目の終了点呼も電話となります。
そうです。
中間点呼が必要です。
開始と終了の点呼がいずれも対面でない運行ということになりますものね。
あれ?
運行指示書は?
事前に計画していた3分割休息であれば当然に必要です。
イレギュラー対応であれば電話で指示してドライバーさんは日報に記載ですね。
運行管理者は電話で指示した内容をもとに運行指示書の副を作成しましょう。
点呼簿は3段になります。
一段目は中間点呼不要
2段目は中間点呼必要
3段目は中間点呼不要
タコや日報も3枚にしておくと管理がしやすいですね。
尚、次の日も3分割!はやめておきましょう。
ドライバーさんはくたくたです。
点呼に始まり点呼で終わる。
緑ナンバーでは当たり前のこと。
この当たり前を当たり前に毎日行うのは骨が折れます。
でも嘘はダメ。
嘘の日報、嘘のタコ、嘘の点呼簿、嘘の教育簿
キリがありません。
嘘は6点減点です。
80点を越えたら緑ナンバーを返さなくてはいけません。
ルールの多くには例外があります。
改善基準告示にも沢山の例外が存在します。
グレーと例外は別物です。
ルールをきちんと勉強し、例外をフルに活用して、嘘のない運送業をお願いします。
次回は、特例「2人乗務」を確認していきたいと思います。
お楽しみに。
2025年7月1日
© 行政書士武藤事務所