先月に引き続き「改正改善基準告示を守れていますか?」を一緒に考えてまいりましょう。
今月のテーマは「隔日勤務」について。
①業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、2暦日の拘束時間が21時間を超えず、かつ、勤務終了後、継続休息期間を20時間以上与える場合は隔日勤務が可能
②仮眠施設で夜間4時間以上の仮眠を与える場合には2週間について3回を限度に2暦日の拘束時間を24時間まで延長可能
③2週間合計での拘束時間は126時間(21時間×6勤務)以内
①から順番に確認してまいりましょう。
まず気になるのが、「業務の必要上やむを得ない場合には」とあります。
「やむを得ない場合」とはどのような場合でしょうか?
例えば次のような場合が想定できます。
・普段は拘束時間12時間程度の運行であるドライバーさんが、お盆休みの渋滞にハマって15時間以内では帰庫できない場合
・お客さんからの突然の増便依頼があり、15時間以内では帰庫できない場合
・当日になって運行内容が突然変わり15時間以内に帰庫できない長距離運行となった場合
などなど
「やむを得ない場合」なので、日常的に隔日勤務を予定するのは、少し違うと思われます。
次に「当分の間」
改善基準告示はこの言葉が大好きですね。
「430」のところでも似たような言葉が登場いたします。
「当分の間」とは具体的にいつまでなのでしょう?
きっと遠くない未来にまた改善基準告示が改正されるのでしょう。
そして「2暦日」とあります。
AM1:00スタートのドライバーさんが22時まで働いた場合は隔日になりません。
隔日勤務とは、日を跨いで勤務する働き方のことです。
改善基準告示における1日は始業時刻から24時間ですが、隔日勤務の「暦日」は0時~24時を指します。
少なくともAM3:00以降にスタートしたドライバーさんでないと暦が変わりません。
ここも要注意です。
最後に「勤務終了後、継続休息期間を20 時間以上」とあります。
隔日勤務を行った後は約1日の休息期間が必要です。
ドライバーさん疲れますからね。
次は②
「仮眠施設」とあります。
自宅は当然ながら、営業所の睡眠施設は問題ないでしょう。
ビジネスホテルやカプセルホテルも問題なし。
ビジネスホテルの駐車場に10トン車が停められるか?は疑問ですが・・・。
問題となるのは、4トン車以上の車両でキャブ後方にある寝台スペース。
現実的にはこれもありでないと運用できません。
私の勝手な感覚では、キャブ後方の寝台スペースは、もはやドライバーさんの寝室となっております。
でも、キャブ後方の寝台スペースでの仮眠は業務から完全に離脱しているイメージがわかないんですよね。
私だけでしょうか?
最後は③
「2週間で126時間」とありますので、一週間の拘束時間は63時間。週一休みの6日勤務とすれば、1日あたり約10時間。
隔日勤務を使えばいっぱい走れる!は完全に間違いですね。
では具体的におさらいしてみましょう。
AM6時からスタートのAさん。
「月曜と火曜」「水曜と木曜」「金曜と土曜」がそれぞれ暦日で1セットと考えます。
この2暦日のなかで拘束時間をルール内に収める必要がありますので、
「月・火」および「金・土」の2暦日は、いずれもAM6時始業~翌日AM3時終業で21 時間お仕事しました。
「水・木」の2暦日は、夜間に4時間の仮眠時間をとり、午前6時始業~翌日AM6時まで、24 時間まで延長してお仕事しました。
ただし、この週の拘束時間は合計で「21 + 21 + 24 = 66 時間」となっているため、翌週の拘束時間は「126 - 66 = 60 時間」以内としなければなりません。
翌週も週一休みならば、翌週の拘束時間は1日10時間まで。
1週目頑張ると2週目に影響が出ます。
しかも1週目でAさんはクタクタです。
やはり「業務の必要上やむを得ない場合」の時だけ、隔日勤務を使用するのが安全だし効率的ですね。
ルールの多くには例外があります。
改善基準告示にも沢山の例外が存在します。
グレーと例外は別物です。
ルールをきちんと勉強し、例外をフルに活用して、不実記載のない運送業をお願いします。
次回は、特例「フェリー」を確認していきたいと思います。
お楽しみに。
2025年9月1日
© 行政書士武藤事務所