先月に引き続き「改正改善基準告示を守れていますか?」を一緒に考えてまいりましょう。
今月のテーマは「フェリー」について。
①フェリー乗船時間は、原則として休息期間
②フェリー乗船時間が8時間を超える場合、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始する。
③運行の途中においてフェリーに乗船する場合、フェリー乗船時間は原則休息期間として、1日の休息期間から差し引くことができる。
④ただし、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの時間の2分の1を下回ってはいけない。
⑤フェリーの乗船時間が8時間を超える場合は、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始される。
フェリー乗船時間が8時間以下である場合は、通常、休息期間の下限9時間から乗船時間を減算した休息期間を確保した上で、その休息期間が終了した時点から次の勤務が開始される。
⑥フェリー乗船中に運転日報を記載する時間や車両を移動する時間は労働時間となるため、フェリー乗船中であっても休息期間とはならない。
⑦例えば6時間フェリーに乗船すると、与えるべき休息期間=9時間-フェリー乗船時間6時間=3時間となりますが、下船時刻から勤務終了まで7時間勤務したならば、減算後の休息期間は7時間÷2=3.5時間必要となり、下船後の休息期間が3時間では違反です。
ということですがとても分かりにくい文章なのでひとつずつ確認していきましょう。
まずは①フェリー乗船時間は、原則として休息期間
「原則として」とありますので例外が気になりますが、Q&Aを見てみると「たとえ1時間でも休息期間となる」とありますので、特に例外は思いつきません。
大切なのは、休息期間であり休憩時間ではありません。
休息期間に入るので終了の電話点呼が必要。
フェリー下船前には日常点検+電話による開始の点呼も必要。
デジタコを導入している会社さんは特にデジタコに記載される日常点検に注意が必要です。
一運行を連続して記録していると日常点検が一回分しか記録されないソフトも存在します。後々の監査や巡回指導において日常点検が実施されていませんね!なんて指摘を受けないように注意が必要です。
ではデジタコの場合どのようにすれば良いか?
次は
②~⑤フェリー乗船時間が8時間を超える場合はフェリー下船時刻から次の勤務が開始し、運行の途中においてフェリーに乗船する場合はフェリー乗船時間を原則休息期間として1日の休息期間から差し引くことができる。
減算後の休息期間はフェリー下船時刻から勤務終了時刻までの時間の2分の1を下回ってはならない。
フェリーの乗船時間が8時間を超える場合は、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始され、フェリー乗船時間が8時間以下である場合は、休息期間下限9時間から乗船時間を減算した休息期間を確保した上で、その休息期間が終了した時点から次の勤務が開始される。
非常にわかりにくい文章ですね。
乗船時間が8時間を超える場合はフェリー下船時刻から次の勤務が開始とありますが、これはフェリーに乗ったからといってその日の休息期間は8時間でいいよ!ではありません。
あくまでも休息期間は9時間以上なのであと1時間以上必要です。
ここで混乱しがちなのは分割休息です。フェリー特例と分割休息特例は別物と考えましょう。
したがって3時間以上である必要はなく9時間に足りない分と考えてください。
もう一つ注意が必要なのは下船後の拘束時間です。
どんなときでも足りない1時間だけ休息取れば大丈夫!ではなく下船後の拘束時間の半分以上必要です。
簡単に言うならば、フェリーに8時間乗船後4時間運行するなら運行後2時間は休息が必要です。
実務的には八戸~苫小牧が8時間ほどなので注意が必要です。
大洗~苫小牧や横須賀~新門司は軽く8時間を超えるので心配ありません。
⑥フェリー乗船中に運転日報を記載する時間や車両を移動する時間は労働時間となるため、フェリー乗船中であっても休息期間とは認められません。
これは細かいですね。
休息期間なので、車両の移動はまだしも日報を書いてもダメだそうです。
車を降りる前に日報を書いてしまいましょう!
⑦例えば6時間フェリーに乗船すると、与えるべき休息期間=9時間-フェリー乗船時間6時間=3時間となりますが、下船時刻から勤務終了まで7時間勤務したならば、減算後の休息期間は7時間÷2=3.5時間必要となり、下船後の休息期間が3時間では違反です。
お判りいただけましたでしょうか?
乗船時間が9時間以上フェリーは下船したら次の日のお仕事と考えれば簡単ですが、9時間未満は要注意です。
ここからは改善基準告示を離れますが、緑ナンバートラックのフェリー代だけはもう少し安くなりませんかね?
セミトレーラーは切り離して台車だけ積めば少しお安めですが、大型平やウイングは1ⅿ約1万円と聞いております。
荷主さんもフェリー代はなかなかの負担でしょうし、運送会社も1日弱売り上げが立たないこととなります。
そしてドライバーさんも休息期間なのでお給料もいただけず・・・。
フェリー代込みの場合はそもそもフェリー選択の余地はない。
安全運行の観点でフェリーは大賛成です。
トラックの燃料をたかなくても進みますし。
大幅な緑ナンバー割引が必要と思うのは私だけでしょうか?
ルールの多くには例外があります。
改善基準告示にも沢山の例外が存在します。
グレーと例外は別物です。
ルールをきちんと勉強し、例外をフルに活用して、不実記載のない運送業をお願いします。
改善基準告示~改正改善基準告示について解説してまいりました。
今月で一通りの説明が完了いたしました。
改善基準告示を守る事は輸送の安全を守る事で、ひいては運送会社の売上利益を守ることと考えます。
安心安全高収益な運送事業運営の一助となれれば幸いです。
2025年10月1日
© 行政書士武藤事務所