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2024年問題についての考察

新年明けましておめでとうございます。

いよいよ2024年がスタ-トいたしました。

4月よりはじまる「運送業働き方改革」の準備は進んでいますか?

準備を進める上で大切なことは、まず現在のルールをきちんと理解することです。

現時点でもドライバーさんは無制限にお仕事ができるわけではなく、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準=改善基準告示」により、様々な時間管理についてのルールが定められております。

それでは、先月にひきつづき11個目の話題

「特例:隔日勤務」です。

具体的には

  • 2暦日における拘束時間は21時間以内

(ただし、事業場内仮眠施設または会社が確保した同種の施設において、夜間に4時間以上の仮眠時間を与える場合には、2週間について3回を限度に、この2暦日における拘束時間を24時間まで延長することができるものとする。この場合においても、2週間における総拘束時間は126時間(21時間×6勤務)を超えることができないものとする。)

  • 勤務終了後は継続20時間以上の休息期間。

まず、注意が必要なのは、隔日勤務という名前の特例なので、一日の拘束時間を21時間まで延長できるものではありません。

例えば

月曜日の1:00~業務を開始して22:00まで業務。

これでは、隔日勤務になりません。

 2暦日となっているように、暦の上で2日にまたがっている必要がありますね。

たとえば、月曜日の5:00~業務を開始して26:00(火曜日の午前2時)までの21時間。

こんなふうに・・・。

では、どのような場面で有効でしょうか?

年末アルアルでいつものように朝5:00~業務開始のAドライバ-さん。

センターで積み込みを行い、いつものように5か所の店舗に配送予定です。

1か所目の店舗で順調に荷物を卸しました。

ところが2か所目に向かう途中の国道が、年末の買い物客で大渋滞。

いつもは1時間ほどで到着する予定が2時間半かかり

到着したときには、お昼を過ぎてしまいました。

さらに2店舗目のバースはトラックで満車状態。

いっこうに荷物を卸せそうにありません。

このままでは3店舗目以降の到着が大幅に遅れ、5店舗目に到着するのは、一日の拘束時間16時間を超えてしまいそうです。

このような緊急時に使用してください。

Aドライバーは渋滞にもめげず、5店舗すべてに荷物を届けて営業所に戻れたのは火曜日の夜中1:30でした。その後点呼を受けて2:00ちょうどに業務終了。

当然Aドライバーは疲労困憊です。

火曜日はそのまま20時間以上の休息に入ります。

次に出勤するのは水曜日の朝5:00。

こんな使い方が出来ます。

さらに長距離運行にも応用が出来ます。

 お得意さんから急な依頼があり、Bドライバーは朝9:00に神奈川営業所で点呼を受けて一路熊本へ出発。

4時間走行し30分の休憩を取りながら順調に進みます。

本来ならば関西圏を過ぎたあたりで、一日の運行を終え8時間以上の休息に入りたいところですが、サービスエリアはどこも一杯で止まれそうにありません。

16時間走行して一気に九州まで走り切ります。

その間の休憩は30分以上が3回ですので、拘束時間は17時間30分。

熊本に到着したのは火曜日の朝4:30でした。

 到着後1時間で荷物をおろして業務終了

火曜日はその後休息に入り、水曜日の朝9時から帰路へ着きます。

と、このように長距離運行でも使用出来ます。

ただしこの業務はドライバーさんがとても疲れますので「業務上やむを得ない場合」との注釈が付いております。

毎日毎日隔日勤務では体がもちませんよね。

長距離で帰り荷が付かないときは、フェリーに乗船することをお勧めいたします。

帰りのフェリー代もきちんと荷主さんに請求しましょうね。

安全に戻れる運行計画が必要なことは言うまでもありません。

11月末には労務費の価格転嫁の指針が公正取引委員会より発表されました。

国土交通省では標準的な運賃も見直しが行われています。

昨年以上に運賃交渉を積極的に行い、安心・安全・高収益な運送事業を実現させましょう!

来月は「特例:フェリー乗船について」です。

お楽しみに。

2024年1月1日

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