今月は
「どのように労働時間を短くしていけばよいか?」
を一緒に考えてみたいと思います。
先日トラックGメンの活動が発表になりました。
超大手運送会社さんが「荷待ち時間」の指摘を受けました。
運送業は官民一体となって、時短にむけどんどん進化しております。
さっそくドライバーさんの一日を時系列で検証していきたいと思います。
まずは、出勤時。
おはようございます!と出勤してきたドライバーさんはタイムカードを打刻して、
鍵を受け取り日常点検へ。
2トン車でも最低5分~10トン車なら10分は必要と想定されます。
この日常点検、実はその日乗務するドライバーさんが行わなければならないルールはありません。
例えば、整備管理者が毎日決めた時間に全車両の日常点検を行うでもOKです。
これだけでも1か月4時間1年で40時間は短縮できます。
出勤時間のルールもとても大切です。
7時から積込なので6時に出発すれば間に合うが、渋滞が嫌だから4時に出発しているドライバーさんいませんか?
渋滞にハマって遅れると大変だから・・と。
気持ちはわかります。
なんで遅れたんだ!
と、倉庫担当者から罵声を浴びせられることもあるそうです。
こんな時こそ社長の出番ですよね。
そもそも契約時に積込時間や積卸時間に幅を持たせておけばよろしいかと。
そうです。運送委託契約書に記載するんです。
「ドライバー労働時間削減のため積込指定時間の前後30分以内とする」 と。
?
そもそもお客さんと運送委託契約書を交わしていますか?
それより以前に就業規則や雇用契約書に出勤時間のルールが書かれていますか?
書いてあるだけではダメです。ドライバーさんへ説明(周知)しましょう。
それから、荷主さんにもなぜ30分の幅があるのか説明しないと。
比較的コミュニケーションの苦手な方が多い業界なのは感じております。
でも、めんどうくさい!なんて言っている場合ではありません。
点呼も終わりいざ出発!
ちょっと待ってください。
当たり前にいつもの道を走ろうとしていませんか?
インターネットの交通情報を今一度確認してください。
いかに渋滞が少ない経路を選択するか?
これで一日30分短縮できれば年間100時間。
無事渋滞を回避して予定より少し早く積地へ到着。
順番待ちがなければ休憩ボタンをお忘れなく。
そうです。
休憩時間は拘束時間ですが労働時間ではありません。
こまめな休憩は労働効率の向上に効果大です。
順番待ちをしなければならない倉庫は困りますよね。
ここでも社長の出番です。
順番待ち中は休憩もできないから待機料金を頂きたい!と交渉してみませんか?
そもそも順番なんてITの力で簡単に解消できるはずなんです。
ドライバーさんの労働時間は有限であることを訴え続けてください。
無事荷卸しも終わり車庫へ到着。
一日の業務を思い出しながら日報を作成。
ここでも無駄な時間が発生します。
そうです。
デジタコを導入すれば日報作成の時間は0に!
日本はどんどん人口が減少しております。
機械に任せて大丈夫なところはぜひ機械に任せてまいりましょう。
デジタコの費用が高い!との声が聞こえてまいります。
よくよく計算してみましょう。
日報作成やアナタコの記入に必要な時間を一日10分とすると、神奈川県最低賃金をかけると年間約6万円!
車載器や営業所内のシステムを考えても10年あれば元が取れてしまいませんか?
なによりもデジタコは正確。
当然お給料計算などにも使用可能なデーターが手に入ります。
その後ドライバーさんは洗車。
車が大好きな方が多くいつもピカピカなトラックをお見掛けします。
トラックは運送会社にとって最も大切な商売道具ですので、それをきれいに保つことはとても大切なことです。
でもその時間も立派な労働時間であり拘束時間です。
最近の洗車機はお利口なのでかなりきれいになります。
ざっと洗車機で洗車してから手作業仕上げすれば時短になります。
以上は私が思う「机上の空論」です。
実際は運送会社さん毎、ドライバーさん毎、運ぶ荷物や荷主さん毎様々です。
だからと言って目をつぶっていてよいわけではありません。
ドライバーさんにヒヤリングを行い1分1秒も無駄にしない業務フローを確立しなければなりません。
どんどん人口が少なくなるこの国で今のままでは行き詰ってしまいます。
次回は、昨年4月に改正された改善基準告示を1つずつ確認していきたいと思います。
お楽しみに。
2025年2月1日
© 行政書士武藤事務所