今年の4月から巡回指導におけるD・E判定を受けた運送会社さんへの対応が、変更となったことはすでにご存じの方も多いかと思われます。
D・E判定を受けた運送会社さんへは半年後、また巡回指導が行われます。
2回目でもD・E判定を受けてしまうと、また半年後に巡回指導が・・・。
この間にも改善報告を求められ、たくさんの改善書証の提出が必要です。
そして、3回目もD・E判定を受けてしまうと、運輸支局へ報告が行われ、監査・行政処分の対象となります。
また、E判定の会社さんは新しく緑ナンバーを増やそうとすると、E判定から一年間は増車が認可申請となります。
通常であれば、新しいお仕事をいただけそうになると、緑ナンバーを増車して準備を始めます。
ところが、車の手配が完了してもいつものように運輸局は連絡書にハンコを押してくれません。
増車届ではなく増車の認可申請になります。
神奈川運輸支局では1か月~3か月後に連絡書を取りに来てください!
と言われてしまいます。
最低でも1か月は新しい車に緑ナンバーが付きません。
さらにこの増車認可申請もE判定から3か月間は提出できません。
時系列で確認してみましょう。
A運送会社さんは8/1に一回目の巡回指導があり、残念ながらE判定でした。
来年の7/31までは増車届は受け付けてもらえません。
しかたがないので、増車認可申請を提出したいところですが、E判定から三か月後の10/31までは増車の認可申請すら受け付けてくれません。
9月から新しいお仕事をいただいたのに、新しい緑ナンバーが用意できず、協力会社へお願いすることとなりました。
いかがでしょう?
E判定を取ってしまったばかりに、こんなことが起こってしまいます。
ベテランの社長さんは
「監査は困るけど、巡回指導なんてトラック協会がやってるんだから平気平気!」
なんておっしゃっている方もいらっしゃいます。
確かに過去の巡回指導はそのような感じで行われていたそうです。
しかし現在の運送業界はコンプライアンスの遵守に邁進しています。
だからと言って、難しく考える必要はありません。
巡回指導のお知らせが届いたら、同封されているチェックシートを確認しながら、ひとつずつ準備をして当日臨んでください。
ルールを守っていることを確認してもらいA判定をいただきましょう。
繰り返しになりますが、E判定は受けてはいけません・・・。
2023年8月29日
© 行政書士武藤事務所